吉祥寺 吉祥寺(きちじょうじ)は、東京都武蔵野市に1889年(明治22年)から1962年(昭和37年)まで存在した大字。旧北多摩郡吉祥寺村。また、現在は吉祥寺駅を中心とする街及び同市に属する広域地域名として使われる。 地理 武蔵野市東端に位置する。現在、武蔵野市内で「吉祥寺」が冠される町名には、吉祥寺本町(ほんちょう、一丁目〜四丁目)、吉祥寺北町(きたまち、一丁目〜五丁目)、吉祥寺東町(ひがしちょう、一丁目〜四丁目)、吉祥寺南町(みなみちょう、一丁目〜五丁目)がある。これに御殿山(一丁目・二丁目)と中町(一丁目〜三丁目)を合わせた範囲がかつての大字吉祥寺である。 街はJR中央線および京王井の頭線の吉祥寺駅を中心に碁盤の目状に広がっている。小高い台地の上の平坦な場所にひらけているが、南端で三鷹市井の頭と接する付近のみ傾斜地になっている。 1957年(昭和32年)からの旧国鉄中央線高架複々線化計画に対応するため吉祥寺駅周辺都市計画調査特別委員会が1960年(昭和35年)に設置され、また1960年(昭和35年)に国立市へ移転する東京女子体育短期大学跡地の貸借権を買収。これらを受けて東京大学工学部都市工学科高山英華研究室に委託した吉祥寺駅周辺都市計画案と、これをベースに昭和40年代から当時の武蔵野市長に就任した後藤喜八郎のもとで構想された「回遊性の高い街づくり」を実現するため、吉祥寺駅を中心とした東西南北の十字線上に四つの大型商業施設が設置されている。2010年2月現在、これらの商業施設群に入居しているテナントは、東=ヨドバシカメラマルチメディア吉祥寺、西=東急百貨店、南=丸井、北=コピス吉祥寺である。これら四つの大型商業施設の合間を埋めるように中小のビル群が立ち並び、多種多彩な商店や飲食店が軒を連ね、いくつかの商店街を形成している。代表的な商店街としてサンロード、ハーモニカ横丁、平和通り、ダイヤ街などが挙げられる。 商業地域の外郭は東京多摩地域有数の高級住宅街で、政治家・経済人・文化人など多様な著名人が居住している。商業地域と住宅街の近接性、新宿や渋谷など主要駅に電車一本でアクセスできる利便性、井の頭恩賜公園や三鷹の森ジブリ美術館などの行楽地が至近であること、治安のよさなどが相まって、市場調査会社などが主催する「住みたい街ランキング」で度々全国第一位に選出されている。 吉祥寺地域は古くから安養寺・光専寺・蓮乗寺・月窓寺という4軒の寺が集まる寺町である。とくに寺が集中している武蔵野八幡宮(八幡神)の付近の地域を四軒寺と呼ぶようになっていったと語り伝えられている。なお、四軒寺という名前の寺があるわけではない。吉祥寺通り(東京都道116号関町吉祥寺線)と女子大通りの交差点を四軒寺交差点と称する。